泡盛の原料となる米には、主に輸入のタイ米が使われます。昔からの伝統でもありますが、比較的安価であり、ジャポニカ米(普通の日本米)と比べ硬質で黒麹菌が成長しやすいという利点があります。またこのタイ米は、政府が認可したもののみを輸入しています。一方で近年では、沖縄県産米を使った泡盛の開発・生産も積極的に行われています。
黒麹菌の大きな特徴のひとつが、酒の製造過程でクエン酸を大量に生成することです。他の麹菌に比べてもろみの酸度を高くすることができ、雑菌による腐敗を抑えられるため、気温の高い沖縄での酒造りとって最適な麹菌なのです。泡盛の「泡盛らしい味」はこの黒麹菌によって受け継がれてきたのです。本土では焼酎生産に主に白麹菌が用いられていましたが、この白麹菌も元はと言えば黒麹菌の突然変異種。近年再び黒麹が持つ独特のコクや風味が人気を集め、「黒霧島」など、黒麹仕込みの焼酎がブームを作りました。
全麹仕込みとはつまり、二次原料を用いないこと。米に麹菌を撒いて作った米麹に水と酵母を加えて発酵させた「もろみ」を、そのまま単式蒸留します。たとえば芋焼酎では、米麹に水と酵母と「芋」を加え発酵させ、蒸留します。そのため、二次原料である芋の風味・香りが蒸留後の酒にも反映されるのです。この全麹仕込みは、泡盛の製法上のもっとも大きな特徴と言えるでしょう。

泡盛もいわゆる「本格焼酎」「乙類焼酎」にあたりますので単式蒸留機で蒸留されます。何度も蒸留を繰り返し純粋なアルコールに近づけていく連続式蒸留と異なり、原料の風味・コクがほどよく酒に反映されます。
現在では常圧蒸留と減圧蒸留というふたつの蒸留方法があります。一般的に、常圧蒸留で作られた泡盛は、伝統的な泡盛らしい味わい―濃厚でコクがあり、クセもある―が楽しめます。また各メーカーごとの「味の個性」が出やすいのも特徴です。減圧蒸留は比較的新しい製法で、フルーティーな香り、すっきりとした飲み口が特徴的で、一方でやや味わいが物足りないという意見もあります。どちらにもメリットがあり、泡盛の多様性に一役買っていると言えます。
なお、貯蔵熟成し古酒にするには古酒化成分がより多く残る常圧蒸留、特に高度数の原酒が適しています。